外国人窃盗団を検挙し、
組織を壊滅せよ。

令和元年の夏から1都4県で窃盗事件(空き巣)が連続発生した。これらの事件は防犯カメラの記録などから、被疑者は複数であることや、犯行に使用した車種が酷似していることが判明。捜査第三課は、同一グループによる組織的な犯行である可能性が高いと判断し、巣鴨警察署に捜査本部を設置した。

PROJECT MEMBER

捜査第三課
第四係
警部補
2004年入庁 埼玉県出身

捜査第三課
第四係
巡査部長
2012年入庁 北海道出身

捜査第三課
第四係
巡査部長
2002年入庁 鹿児島県出身

相次ぐ空き巣被害の発生。

連続窃盗事件の発端は、令和元年8月。巣鴨警察署管内の住宅で空き巣被害が発生し、その後も同様の被害が相次いだ。これらの事件に対して、捜査第三課と巣鴨警察署は共同捜査本部を設置。捜査第三課は、窃盗事犯を捜査する警視庁刑事部の所属であり、これまでに広域組織窃盗事件を数多く解決してきた盗犯捜査のプロフェッショナルだ。また、巣鴨警察署の盗犯捜査係の捜査員は管轄内の情勢を詳しく把握している。本部と警察署、それぞれの力を生かし、事件解決を目指すことになった。

捜査員たちは捜査情報を持ち寄り、本格的な捜査を開始した。狙われたのは住宅街の留守宅であり、現金や指輪といった高価な貴金属類が盗まれたこと、また、室内が乱雑に荒らされていたことなど、連続発生した窃盗事件は手口が似ており、同一犯による事件であると判断。捜査第三課では早い段階から、過去の事件の手口や、防犯カメラに映る被疑者らの容姿を踏まえて外国人窃盗団による犯行の可能性が高いと考えた。

犯人の潜伏拠点を探る捜査網。

捜査員たちは、被害者宅の周辺で犯人が残した痕跡を集めるなど捜査を進め、犯行現場付近の防犯カメラ映像を詳しく解析した結果、予見していたとおり外国人の集団による犯行であることが分かった。しかし、映像から犯人たちの特徴を特定できたものの、外国人窃盗団は短期滞在ビザで入国することが多いためタイムリミットがあり、また、滞在先を転々とすることも危惧された。「早急に確かな証拠をつかみ、所在を突き止めて逮捕しなければならない」。捜査員たちはこれまで以上にスピードを意識して犯人の捜索にあたった。

現場から立ち去り逃亡する様子を捉えている防犯カメラ映像を集め、犯人たちの行動を追跡。犯人たちの潜伏拠点へと捜査の網が近づいていった。犯人たちは用心深く、頻繁に拠点を移すため困難を極めたが、昼夜を問わない地道な捜査を積み重ねることで、犯人たちに迫っていった。

犯行手口を明らかにし、
揺るぎない証拠をつかめ。

令和元年10月から、実行役、支援者、盗品処分役らを次々と検挙していった。検挙した被疑者らの供述をはじめ、証拠の積み重ねにより、翌年7月には、ついに指示役のコロンビア人の女の検挙に至った。指示役の女は、長年にわたり日本に滞在しており、母国から窃盗団を招き入れて、犯行が露見しにくい住宅や住民が少ない時間帯を狙うといった、日本における犯罪のノウハウを実行役らに提供していた。また、車両や住居の手配、盗品を売りさばく方法なども実行犯に教え、「犯罪のインフラ」を構築していた。さらに、盗品は自分たちの拠点では保管せず、換金するまで離れた場所の土の中やプランターに埋めておくなど、犯行を露見させないよう周到に行動していた。これらの手口は、捜査員らの熟練の捜査によって徐々に明らかにされていった。

隠された盗品は後の裁判での貴重な証拠になる。そのため、捜査員一人ひとりが「絶対に見つけ出す」という一心で捜査に臨み、事件は終結へと向かっていった。

粘り強さとスピードが事件解決への鍵。

この一連の事件では、外国人窃盗団関係者ら計12名の犯人を検挙。被害件数約50件、総額5,000万円相当の窃盗事件を解決し、窃盗団に壊滅的なダメージを与えることになった。また、公園の土中、民家のプランター、潜入先アパートの花壇などの捜索や盗品処分先の捜査により、約250点の貴金属、腕時計などの被害品を発見し、被害者へ返還することができた。

事件を解決に導いたのは、犯人検挙への粘り強さとスピードだった。捜査関係者は「1日現場を離れただけで状況が分からなくなるほどの捜査の速さだった」と語る。犯人たちは潜伏していた拠点を変えるなど急な行動、意外な行動が多かった。しかし、捜査員たちの「絶対に逃がさない」という信念によって、事件解決を成し遂げることができた。