VOICE先輩の声
緻密な捜査で証拠を集め
知能犯罪を立証する。
小金井警察署 知能犯捜査第一係
警部補
京都府出身
オートバイが好きで、学生時代はツーリングサークルの副会長を務めていました。趣味を仕事に生かすことはできないかと考えたところ、白バイ隊員が思い浮かび警察官を志望しました。地元県警察も受験しましたが、大学卒業までずっと実家で生活していたので、親元を離れて早く一人前になりたいとの思いから首都を守る警視庁に入庁しました。現在は、警察署の知能犯捜査係長として、告訴・告発事件、詐欺、横領、背任、贈収賄、選挙違反取締り等の知能犯事件捜査に従事しています。強行犯・盗犯事件は被疑者を見付ける捜査が中心となりますが、知能犯事件は最初から被疑者が判明しているケースが多く、その者が犯人であることを立証する捜査が重要になります。
首都である東京に本社を構える企業が多いことから、「内容虚偽の取引をされた」「会社の預金を着服された」など企業絡みの事件が多く発生し、被害規模も大きくなります。そのような事件では関係者が多く、供述の裏付けや金の流れを解明するのに大変な労力を要しますが、その分大きなやりがいがあります。また、業界や分野によって専門知識や慣習が異なるため、知能犯事件の捜査では事件ごとにこれらを理解する必要があり、日々学びの連続です。だからこそ、新たな事件を取り扱うたびにその分野について見識を深めることができ、それぞれの事件で関わりを持った方々とのつながりは、別事件の捜査や情報収集などの際に非常に大きな財産となります。
告訴・告発事件の相談は、通常、企業であれば代表者が代理人弁護士と共に来署されることが多いですが、刑事と民事の境目にあるような相談も多く、刑事事件に該当するかどうか判断に迷うことも少なくありません。しかし、相談者は警察を最後の拠り所としていることから、刑事事件として立件できるところはないか検討し、状況によっては検察官にも相談して事件化できるものは受理するよう心掛けています。知能犯事件は、報告書や供述調書が膨大な量になりがちですが、事件を知らない人が読んでもすぐに理解できる、分かりやすい書類を作成するよう気を付けています。
これまでの警察人生の大半を知能犯捜査係員として勤務し、多数の知能犯事件に携わってきました。取調べ技能や口座元帳を「読む力」、捜査書類の作成要領など、上司の指導を受けながら多くのスキルを身に付けることができました。現在は、警察署の係長として知能犯捜査の魅力を一人でも多くの部下に伝え、私自身は捜査第二課で再度勤務することを目標に日々業務に邁進しています。
休日は、2人の子供と遊んだり、趣味のプロ野球観戦に興じたりしています。昔から野球が好きで、直接観戦することもありますが、最近は有料チャンネルを契約し、応援する球団の試合を最初から最後まで視聴するのが至福の時間です。また、タイミングが合えば同僚とゴルフに行ってリフレッシュしています。