特殊詐欺について

令和5年、池上警察署管内での特殊詐欺の被害認知件数は47件、被害総額は約1億6,500万円でした。
そして現在も、犯人から「鞄をなくした。」「医療費が戻ります。」「あなたのカードが不正利用されました。」という騙しの電話（アポ電）が毎日のようにかかってきています。
下記の表は、令和5年池上警察署管内の特殊詐欺被害の種類の内訳です。

このように、池上警察署管内では様々の手口で詐欺の被害が発生しており、地域ごとに被害認知件数を色分けしたものが、下記のマップです。

特殊詐欺の手口は10種類に分類され、その中でも池上警察署管内で発生の多い5種類の特殊詐欺について説明します。

息子や孫を装った犯人から電話があり、仕事に関するトラブルなどを口実に、お金を要求する詐欺。
最初の電話で、医師などを名乗り「息子が喉の手術をした」などと言って、息子の声が違うことを不自然に思われないようにする手口が増えています。

区役所や税務署の職員等を装い、医療費などの払い戻しがあるからとキャッシュカードの確認や取替の必要があるなどの口実で自宅を訪れ、キャッシュカードを騙し取る詐欺。
大手百貨店や家電量販店の店員、警察官などを名乗り「あなたの名義のキャッシュカードで買い物した犯人がいます」と話す場合があります。また、銀行員などを名乗り「カードが古いから交換する必要があります」などと話し、いずれの場合も自宅に訪れキャッシュカードを騙し取ろうとします。

通信会社職員などを装い、未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし金銭などを騙し取る詐欺。
SNSやはがきを受け取った被害者が本文に記載された連絡先に電話をかけると「払わなければ裁判になる」「今日払えば大半が返金される」などと言われ、払ったほうが良いと思い込まされてしまいます。
インターネットを利用中に突然「ウイルスに感染した」などと偽画面を表示させて不安をあおり、警告画面上の電話番号に電話をかけさせる「サポート詐欺」という手口が増えています。ご注意ください。

区役所の職員などを装い、医療費の還付金等があることを口実に、被害者を無人ATMコーナー等へ行かせ、ATMを操作させて犯人側の口座にお金を振り込ませる詐欺。
払い戻しには期限があると焦らせた上で、今すぐ携帯電話を持って近くのATMに向かうよう指示をしてきます。

警察官、金融機関、大手百貨店等の職員を装って、「キャッシュカードが不正に利用されている」等の名目により、キャッシュカードを準備させた上、直接自宅に訪問し、キャッシュカードを封筒に入れさせて、封印すると言い印鑑を取りに行っている間に封筒をすり替えてキャッシュカード等を窃取する詐欺。

このような内容の電話があったり、おかしいなと感じたら、すぐに電話を切って、池上警察署に通報をお願いします。

池上警察署では、特殊詐欺を根絶するため、

• 犯人の検挙、アジトの摘発
• 車両を使用した広報活動
• 金融機関へのホットライン通報要請
• コンビニエンスストアに対する防犯指導、声掛け等の依頼
• 各町会に対する地域安全ニュース（主に特殊詐欺注意喚起チラシ）の配布依頼

等、検挙・抑止活動に取り組んでいます。
不審な情報等があれば、池上警察署に通報をお願いします。

「犯人からの電話に出ない」ための対策を推進するため、3つのお願いをしています。
1つ目は、自動通話録音機の設置です。
自動通話録音機とは、自宅に電話がかかってくると、呼び出し音が鳴る前に、相手に対して通話内容を録音する旨のメッセージが流れます。犯人は自分の声が録音されることを嫌うため、メッセージを聞いた後、電話を切ることが期待できます。現在、自動通話録音機を大田区在住で65歳以上の方を対象に無料で貸出しています。（数に限りがあります。）
録音機の設置を希望の方は池上警察署までご連絡ください。
2つ目は、迷惑防止機能付き電話機の設置です。
この電話機は、自動通話録音機と同じ機能を有する電話機である為、新たに自動通話録音機を設置する必要がなく詐欺の電話を撃退することが期待できます。新たに電話機の交換をする際は、迷惑防止機能付電話機の購入をお勧めします。
3つ目は、留守番電話の設定です。
留守番電話のメッセージが流れると、ほとんどの犯人は電話を切ります。なお、呼出回数を2回以下に変更することで、電話に出る前に留守番電話に接続され、犯人と会話せずに済むことから、呼出回数の短縮設定をすることが効果的です。
また、固定電話機に、「相手の電話番号を表示する」ナンバー・ティスプレイと「非通知の番号を拒否する」ナンバー・リクエストをご利用いただくことで、電話をより安心・安全に使えますので、ご利用を検討してください。
ナンバー・ディスプレイ、ナンバー・リクエストは、対応する固定電話機が必要になります。
ナンバー・ディスプレイとは、電話をかけてきた相手の電話番号を電話機等のディスプレイに表示する機能で、ナンバー・リクエストとは、故意に電話番号を非通知にして電話をかけてきた場合に、相手に番号を通知してかけ直すように要求するガイダンスが流れる機能です。一部の電気通信事業者は、2023年5月より、高齢者（70歳以上）が居住する世帯の、ナンバー・ディスプレイ、ナンバー・リクエストの月額利用料・初期工事費を無料にしています。