令和7年12月（特殊詐欺対策）

王子警察署管内の本年上半期（令和7年1月から6月まで）特殊詐欺の被害件数は35件（前年同期比＋13件）、被害総額は約9,500万円（前年同期比＋4,550万円）の特殊詐欺被害がありました。また警察官や金融機関による被害未然防止件数は9件ありますが、7月以降も被害が多発しています。
今なお、北区役所職員を名乗り「医療費の還付金があります。」、息子や孫を名乗り「カバンをなくした、お金が必要。」などといっただましの電話（アポ電）が後を絶ちません。
最近では、警察官を騙り「あなたに逮捕状がでています。」等と悪質性の高い詐欺が多発しており、現役世代の被害が多発しています。
王子警察署管内の特殊詐欺被害の内訳は、下記のとおりです。　

地域ごとに被害発生状況を色分けしたものは下記の地図の通りです。

特殊詐欺の手口の中で、王子署管内で発生の多い3種類について説明します。

警察を名乗り、電話からSNSやビデオ通話に誘導します。
警察手帳や逮捕状を見せて「あなたに逮捕状が出ています。」「捜査のため、あなたの資産を調べます。」等と不安をあおり、お金を振り込むように要求する手口です。
警察官は、SNSで連絡をすることはありません。警察官は、警察手帳や逮捕状等の画像を送ることはありません。警察官は、捜査の目的で金銭を要求しません。

息子や孫等の親族を名乗り、「カバンを置き忘れた。小切手が入っていた。お金が必要だ。」などと言って、現金が至急必要であるかのように信じ込ませ、現金をだまし取る（脅し取る）手口です。

「誰にも言わないで」「今なら間に合います」は、詐欺犯人があなたをだますための決めセリフです。一度電話を切り、家族の方に電話をかけ直して確認するようにしましょう。

医療費、税金、保険料等について「還付金があるので手続きしてください。」などと言って、被害者を無人ATMコーナー等へ誘導し、携帯電話で指示しながらATMを操作させて、被害者の口座からの犯人の口座に送金させる手口です。
ATMで医療費・保険料は戻りません。
ATMコーナーでの携帯電話の使用はご遠慮ください。

「警察を名乗る詐欺」、「オレオレ詐欺」「還付金詐欺」などの撃退に効果的な対策をご紹介します。以下のいずれかの対策をとることをお勧めします。
1　＋から始まる国際電話からの詐欺電話が増えています。海外との電話が不要な方は発信・着信を無償で休止できます。
2　防犯アプリ「デジポリス」の設定により、多くの詐欺に使われている国際電話番号からの着信通知を遮断し、詐欺電話をブロックします。
3　自動通話録音機は、自宅に電話がかかってきたとき、呼出音が鳴る前に、相手に対して「通話内容を録音する」旨のメッセージが流れます。　　　　　　　　　　　　　　
犯人は録音されることを嫌うため、電話を切ることが期待できます。現在、自動通話録音機は、主として65歳以上の方を対象に無償で貸出をしています。
4　迷惑防止機能付電話機の設置
上記の自動通話録音機の流れるメッセージが内蔵された電話機であるため、自動通話録音機を新たに設置する必要がありません、新たに電話機の交換をする際は、迷惑防止機能付電話機の購入をお勧めします。
5　留守番電話の設定
留守番電話に設定していれば、ほとんどの犯人は電話を切ります。さらに、呼出回数を2回以下に変更することで、電話に出る前に留守番電話に接続され、犯人と会話をせずに済みます。
被害防止には、直接電話に出ないことが重要です。