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知識・技術の移転 JICAと協力したODA事業

更新日:2026年5月26日

専門家の派遣

警視庁では、開発途上国等への知識・技術の移転のため、独立行政法人国際協力機構(JICA)と協力したODA事業に、各分野の専門家として警察官を派遣しています。これまで

  • 東南アジア地域における薬物対策支援
  • ブラジルにおける地域警察活動普及支援
  • トルコにおける警察官訓練指導(柔道)、女性警察官支援
  • インドネシアにおける現場警察活動、鑑識技術支援

などに警察官を派遣し、現地指導を行っています。


薬物捜査指導状況(フィリピン共和国)

諸外国への派遣状況(令和8年3月末日現在)

インドネシア
年度 派遣人員 業務
平成19年度 5名 鑑識技術等
平成20年度 3名 鑑識技術等
平成21年度 3名 鑑識技術等
平成23年度 3名 鑑識技術、現場警察活動
平成24年度 1名 現場警察活動
平成25年度 3名 現場警察活動、鑑識技術
平成26年度 2名 現場警察活動、鑑識技術
平成27年度 3名 市民警察活動、鑑識技術
平成28年度 2名 市民警察活動、鑑識技術
平成29年度 2名 市民警察活動、鑑識技術
平成30年度 1名 市民警察活動、鑑識技術
平成31年度(令和元年度) 2名 市民警察活動、鑑識技術
令和4年度 1名 市民警察活動、鑑識技術
令和5年度 1名 市民警察活動、鑑識技術
令和6年度 2名 組織運営アドバイザー、鑑識技術
令和7年度 1名 鑑識技術
オーストラリア

年度

派遣人員

業務

平成29年度

2名

国際緊急援助隊指導
東ティモール

年度

派遣人員

業務

平成28年度

1名

地域警察活動

トルコ
年度 派遣人員 業務
平成23年度 6名 警察官訓練指導(柔道)
平成24年度 6名 警察官訓練指導(柔道)
平成25年度 6名 警察官訓練指導(柔道)
平成26年度 1名

警察官訓練指導(柔道)

平成27年度 1名 女性警察官支援
フィリピン
年度 派遣人員 業務
平成16年度 1名 薬物犯罪対策
平成17年度 1名 薬物犯罪捜査
平成18年度 1名 薬物鑑定
タイ
年度 派遣人員 業務
平成16年度 1名 薬物取締り
平成20年度 1名 薬物対策
ラオス
年度 派遣人員 業務
平成21年度 2名 薬物取締り
ミャンマー
年度 派遣人員 業務
平成21年度 2名 薬物取締り
カンボジア
年度 派遣人員 業務
平成21年度 1名 薬物取締り
ブラジル
年度 派遣人員 業務
平成22年度 1名 地域警察活動
平成29年度 1名

地域警察活動

外国からの研修員の受入れ

JICAの国際協力事業の研修等において、講義や研究の受入れを行っています。

令和7年 研修員の受入状況(抜粋)
年月 国名 人員 視察先
令和7年1月 インドネシア 2名

鑑識課 警察署

令和7年7月 アンゴラ、バングラデシュ、ブラジル、ブルキナファソ、カンボジア、コロンビア、コートジボワール、コンゴ民主共和国、ガーナ、グアテマラ、ホンジュラス、キルギス、リベリア、マーシャル諸島、モザンビーク、パレスチナ自治政府、南スーダン、タンザニア、東ティモール、ザンビア 25名

警察博物館 警察学校

令和7年7月 バングラデシュ 12名

警視庁本部

令和7年10月 アゼルバイジャン、カンボジア、コロンビア、コンゴ民主共和国、エジプト、ラオス、モーリシャル、ネパール、フィリピン、セルビア、モザンビーク 14名

交通管制センター

令和7年11月 フィジー、キリバス、マーシャル諸島、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン諸島、トンガ、バヌアツ 11名 少年センター 警察学校
令和7年11月 バングラデシュ、ベナン、ブルキナファソ、インドネシア、レバノン、マレーシア、モルディブ、モザンビーク、ネパール、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、スリランカ、タジキスタン、ウズベキスタン、ベトナム 17名 交通管制センター

このほかにも各国からの視察、研修を受け入れ、日本警察の持つ知識・技術の移転を通じた国際協力に取り組んでいます。

インドネシア共和国における犯罪抑止対策推進プロジェクトへの参画を終えて

市民との連携による犯罪抑止対策の推進と現地警察との協働

(第二方面本部 警視)

私は、独立行政法人国際協力機構(JICA)の専門家として、2024年4月から2026年3月までの約2年間、インドネシア国家警察に派遣され、「犯罪抑止対策推進プロジェクト」に携わりました。現地では、日本警察の経験を踏まえた犯罪を未然に防ぐ取組の支援を行いました。
インドネシアでは、「市民に信頼される警察」の実現に向けた取組が進められており、日本は、JICAや警察庁を通じて、これまで20年以上にわたり支援を続けてきました。本プロジェクトは、その積み重ねを踏まえ、市民との連携を基盤とした犯罪抑止対策を、より効果的に展開していくことを目的としています。
現地で活動する中で特に印象的であったのは、地域ごとに多様な犯罪抑止の取組が積極的に行われている一方で、それぞれの経験や工夫を組織全体で共有していくことの難しさでした。広大な国土と大規模な警察組織を有するインドネシアにおいては、それぞれの地域の特性に応じた活動が尊重されており、こうした多様性をいかに全体の力としてつなげていくかが一つの課題であると感じました。このような環境の中で私は、日本の取組を一方的に伝えるのではなく、現地の警察官と対話を重ねながら、共通点や参考となる点を見いだし、共に考えていくことを大切にしてきました。

現地警察への説明

現地での活動は、警察署員向けに「日本警察の犯罪抑止に関する取組」について講義を行うことから始まりましたが、次第により実践的な内容を求める声が高まり、講義に加えグループディスカッションや参加者によるプレゼンテーションを取り入れた参加型の研修へと発展し、期間を延長して実施するものとなりました。
こうした取組を通じて、犯罪抑止対策の考え方を「市民との信頼関係の構築」「警察による犯罪抑止対策」「市民と連携した犯罪抑止対策」の三つの要素として整理しました。これらは、日本警察の経験を踏まえつつ、インドネシアの現場にも自然に受け入れられる形で示したものです。
また、活動は警察署レベルから州警察本部へと広がり、より多くの警察官に共有されるとともに、教育訓練機関との連携により将来の人材育成にもつながる基盤が整えられました。

さらに、犯罪抑止と並行して、指紋照合分野の研修支援にも携わり、当庁鑑識課の短期専門家と連携しながら、現地のニーズに応じた研修の実施に向けた調整や支援を行いました。現在では現地の警察官が主体となって研修を担う場面も増えており、着実な技術の定着と人材育成の進展を実感しています。

これらの活動を通じて改めて強く感じたのは、相手を理解し、敬意をもって向き合うことの大切さです。インドネシアの人々は、日々の業務の中でも笑顔を絶やさず、常に温かく、フレンドリーに接してくれました。そうした環境の中で、私自身も相手をより深く理解しようとする姿勢が生まれていったように感じています。
また、現地の方々との距離を少しでも縮めたいという思いから、インドネシアの歌を覚え、機会があれば披露するようにしていました。歌を通じて場の雰囲気が和らぎ、笑顔が広がっていく様子を何度も経験し、こうした何気ないやり取りの積み重ねが、信頼関係の構築につながっていくことを実感しました。

言葉や文化の違いがある中にあっても、相手の立場に立ち、関心と敬意を示し続けることが、国や組織を越えた協力関係の基盤となる――このことは、今回の活動を通じて得た最も大きな学びの一つです。
インドネシアでの経験は、私にとって大変貴重でかけがえのないものであり、日本警察の取組を改めて見つめ直す機会となりました。近年、我が国と東南アジア地域の双方にまたがる形で、犯罪の広域化・国際化が進んでおり、国内の治安を維持していく上でも各国の関係機関との連携の重要性は一層高まっています。こうした状況を踏まえると、本プロジェクトのような国際協力の取組は、現地における治安向上に資するだけでなく、日本の安全・安心の確保にもつながるものといえます。
今後は、インドネシア警察官の職務に対する誠実さや前向きな姿勢を忘れずに、警視庁警察官として、都民、国民の安全・安心の確保に全力で取り組んでいきます。

情報発信元

警視庁 人事第一課 人事係
電話:03-3581-4321(警視庁代表)

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