更新日:2023年4月3日
薬物事犯全体における最近の傾向
近年、大麻事犯は年々増加傾向にあり、とりわけ30歳未満のいわゆる若年層における大麻の蔓延は、以前にも増して深刻な状況となっています。
来日外国人密売グループは暴力団と結託して、組織化、巧妙化傾向を一段と強める一方、密売方法も都市部を避け、住宅地等に移しています。また、インターネットや携帯電話、宅配便を利用するなど、その手口がますます潜在化しています。
少年など若年層の者たちが、覚醒剤のことを「エス」・「スピード」、大麻を「マリファナ」・「ハッパ」、MDMAを「エクスタシー」・「バツ」と呼ぶなど、ファッション感覚で使用したり、薬物乱用に対する規範意識の低下や、薬物乱用の危険性・有害性についての認識不足から、安易に覚醒剤、大麻や麻薬、危険ドラッグ等に手を出しています。
薬物は、一度でも使用してしまうとやめられなくなります。
薬物に関する正しい知識を身につけましょう。
薬物事犯の検挙状況
令和3年中、警視庁は薬物事犯において2,455人を検挙しました。
検挙した者のうち、未成年者は219人で全体の約9パーセントを占めています。
薬物の押収量
令和3年中に警視庁が押収した薬物は約162キログラムでした。
薬物は、外国から輸入される重機等に隠されたり、国際郵便を利用したり、入国者の手荷物に隠されたりして密輸入され、国内でインターネットや宅配便を利用して密売されています。
令和3年中の押収量
覚醒剤 | 125.7キログラム |
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大麻 | 28.5キログラム |
麻薬 | 7.4キログラム |
薬物総押収量(その他の薬物を含む) | 162.2キログラム |
(注記)小数第二位を四捨五入
覚醒剤押収量
大麻押収量
麻薬押収量
検挙事例
マレーシア人らによる麻薬特例法違反事件
事犯の概要
千葉県浦安市内の関係者方において、覚醒剤を所持する意思をもって、覚醒剤の代替物を所持したとして、マレーシア人の男ら3人を麻薬特例法違反(規制薬物としての所持)で検挙した。
ナイジェリア人らによる麻薬特例法違反事件
事犯の概要
神奈川県座間市内において、覚醒剤の代替物相当量を所持したとして、ナイジェリア人の男らを麻薬特例法違反(規制薬物としての所持)で検挙した。
職業不詳の男らによる覚醒剤取締法違反事件
事犯の概要
営利の目的で、中国から覚醒剤相当量を隠匿した海上貨物1個を外国貿易船に積載し、本邦に輸入したとして、職業不詳の男ら4人を覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)で検挙した。
ベトナム人らによる麻薬特例法違反事件
事犯の概要
埼玉県内において、薬物犯罪を犯す意思をもって、覚醒剤などの代替物を所持したとして、ベトナム人の男ら6人を麻薬特例法違反(規制薬物としての所持)で検挙した。
無職の男らによる大麻取締法違反事件
事犯の概要
小笠原村内の自宅において、大麻と認められる乾燥植物片約1.2g等を所持したとして、無職の男ら2人を大麻取締法違反(営利目的所持等)で検挙した。
会社役員らによる医薬品医療機器等法違反事件
事犯の概要
葛飾区内の自宅等において、医療等の用途以外に供するため、指定薬物である液体及び粉末等を販売目的で貯蔵したとして、会社役員の男ら3人を医薬品医療機器等法違反(販売目的貯蔵)で検挙した。
中国人らによる覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)事件
事犯の概要
静岡県南伊豆町の海岸において、営利の目的で覚醒剤1トンを密輸したとして、中国人の男ら7人を覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)で検挙した。
イラン人らによる覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)事件
事犯の概要
中国広州市所在の倉庫に覚醒剤を隠匿した船舶用減速機1台を搬入させ、香港特別行政区所在の港において船舶に搭載し、本邦へ密輸入させたとして、メキシコ人の男1人とイラン人の男2人を覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)で検挙した。
情報発信元
警視庁 薬物銃器対策課 薬物銃器対策第二係
電話:03-3581-4321(警視庁代表)
