更新日:2024年5月13日
令和5年12月末における都内での刑法犯認知件数は、8万9,098件で、前年同期と比べて1万623件(13.5パーセント)増加しています。
また、刑法犯少年の検挙・補導人員は、3,347人で、前年同期と比べて305人(10.0パーセント)増加しました。
街頭犯罪の認知件数は、3万1,895件で、6,077件(23.5パーセント)増加し、街頭犯罪における少年の検挙・補導人員は、510人で、92人(22.0パーセント)増加しました。
特に街頭犯罪のうち、総検挙人員に対して少年の検挙・補導人員の占める割合が高い罪種は、オートバイ盗(88.9パーセント)、部品ねらい(52.9パーセント)でした。
総検挙人員における少年の検挙・補導人員の割合(令和5年12月末)
刑法犯罪
総検挙 23,137人
内訳
成人 19,790人(85.5パーセント)
少年 3,347人(14.5パーセント)
街頭犯罪
総検挙 1,396人
内訳
成人 886人(63.5パーセント)
少年 510人(36.5パーセント)
(注記1)刑法犯罪とは刑法に規定する罪のことで、「殺人・強盗・恐喝・窃盗・詐欺・性犯罪など」を計上しています。
(注記2)街頭犯罪とは、街頭で発生する犯罪のうち「路上強盗・ひったくり・自動車盗・オートバイ盗・自転車盗・車上ねらい・部品ねらい・自動販売機ねらい」を計上しています。
(注記3)少年とは、20歳に満たない者をいいます(男女の別は問いません)。
少年犯罪の状況
刑法犯少年の検挙・補導人員は、平成22年以降、減少傾向で推移していたところ、令和4年から増加傾向に転じ、令和5年12月末の時点では、自動車盗・オートバイ盗・自転車盗等の街頭犯罪が増加しています。
オレオレ詐欺等の特殊詐欺については、令和5年12月末の時点で検挙・補導された少年は100人で、前年同期比53人減少し、少年が占める割合も15.0パーセントと減少してはいるものの、SNSで犯罪実行者を募集する手口による強盗事件等が増加しており、大きな社会問題となっています。
令和5年12月末現在の主な検挙事例
特殊詐欺関連
先輩の息子を装って現金190万円をだまし取った少年らを検挙
赤坂署は、静岡県静岡市内所在の男性方に息子を装って電話をかけ、至急現金が必要である旨のうそを言い、息子の先輩になりすまして被害者宅において、現金190万円が入った紙袋をだまし取るなどした少年3人(無職2人、会社員1人)を詐欺罪及び詐欺未遂罪で検挙しました。
息子の会社関係者を装って現金80万円をだまし取った少年らを検挙
東京空港署、碑文谷署は、目黒区所在の女性方に息子を装って電話をかけ、会社の得意先への賠償金が必要になったなどとうそを言い、息子の会社関係者になりすまして被害者宅において現金80万円をだまし取った少年2人(無職2人)を詐欺罪で検挙しました。
孫の会社関係者を装って現金120万円とキャッシュカードをだまし取った少年を検挙
牛込署、品川署は、埼玉県鴻巣市所在の女性方に孫を装って電話をかけ、書類を紛失し至急現金が必要である旨のうそを言い、孫の会社関係者になりすまして被害者宅において、現金120万円及びキャッシュカード1枚をだまし取るなどした少年1人(無職)を詐欺罪で検挙しました。
凶悪犯
ガムテープで両手首、両足首を拘束して金庫を奪い取ろうとした成人を検挙
小松川署は、江戸川区所在の被害者宅玄関を破壊して侵入した後、被害者に「金庫はどこにある。」などと脅迫し、ガムテープで両手首、両足首を拘束して金庫を奪い取ろうとした成人1人(アルバイト・犯行時少年)を強盗未遂罪で検挙しました。
カッターナイフを使用するなどして脅迫し、現金を奪った少年らを検挙
深川署、東京湾岸署、杉並署、向島署は、江東区内居住の被害者を呼び出して車に乗せて走行するなどしながら、「お前には選択肢がある、友達から金借りるか、家族や女さらうか、ヤミ金から20万借りるか、ぶっとばされるか。」などと脅迫し、さらにカッターナイフを突き付けるなどして、現金合計9万円を奪った少年4人(無職2人、アルバイト1人、会社員1人)を強盗罪で検挙しました。
高級腕時計店に侵入して脅迫するなどし、腕時計などを奪った少年らを検挙
築地署、赤坂署は、中央区内所在の高級腕時計店において、店員らに対し、ナイフ様のものを示して「伏せろ、殺すぞ。」などと脅迫し、所持していたバール様のものでショーケースを叩き割り、腕時計など74点(販売価格合計3億856万4,000円相当)を奪って逃走した後、港区内のマンション内に侵入した少年4人(無職2人、アルバイト1人、高校生1人)を強盗罪及び邸宅侵入罪等で検挙しました。
催涙スプレーを噴射して顔面を殴るなどし、現金を奪った少年らを検挙
原宿署は、渋谷区内の路上において、被害者に対し、催涙スプレーを噴射して顔面を殴るなどの暴行を加え、全治3日間を要する左顔面打撲等の傷害を負わせ、現金約83万円等が入ったトートバッグ1個を奪った少年2人(内装工1人、会社員1人)、成人2人(会社員2人)を強盗致傷罪で検挙しました。
集団で殴る蹴るなどして、現金を奪った少年らを検挙
西新井署、小岩署は、足立区内の河川敷において、被害者を取り囲んで暴行を繰り返し、全治約2ヶ月を要する多発外傷、全身打撲等の傷害を負わせ、「いくら持っているんだよ。くれよ。」などと脅迫し、現金1,000円を奪った少年4人(高校生2人、内装工1人、アルバイト1人)を強盗罪及び傷害罪で検挙しました。
徒歩で通行中の女性を転倒させるなどして怪我をさせ、現金を奪った少年らを検挙
渋谷署は、渋谷区内の路上において、被害者が右肩に掛けていた現金1万円等が入ったトートバッグ1個を奪い、その際の暴行により、全治2週間程度を要する右肩、両膝打撲などの傷害を負わせた少年2人(無職1人、派遣社員1人)、成人1人(派遣社員)を強盗致傷罪で検挙しました。
面識のない塾帰りの中学生を殴るなどして、現金を奪った少年らを検挙
田園調布署は、大田区内の公園内において、被害者に因縁をつけて顔面を殴る暴行を加えた上、現金約7,000円在中の財布等を奪い、その際、全治不詳の鼻骨骨折等の傷害を負わせた少年3人(高校生2人、無職1人)を強盗致傷罪で検挙しました。
詐欺犯
医療費還付金を名目に、現金を振り込ませるなどした成人らを検挙
新宿署、池袋署は、医療費の還付金名目で金銭をだまし取ろうと考え、市役所職員などになりすまして電話で指示し、福岡県福岡市内に設置された現金自動預払機から被疑者らが管理する預金口座に49万8,568円を振込送金する操作を行わせ、更に同日台東区内に設置された現金自動預払機で現金合計295万6,000円を引き出して盗んだ成人2人(無職1人、会社員1人・犯行時少年)を電子計算機使用詐欺罪及び窃盗罪で検挙しました。
休業支援金・還付金を少年などに不正申請させ、現金を振り込ませた成人らを検挙
立川署は、厚生労働省が所管し、東京労働局が給付する新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金名目で金銭をだまし取ろうと考え、少年などを受給請求者として利用して不正申請させ、現金合計293万5,900円を振り込ませた成人2人(無職1人、飲食店従業員1人)を詐欺罪で検挙しました。
保険の還付金を名目に、現金を振り込ませた成人を検挙
福生署は、出し子役の無職の少年と共謀し、保険の還付金名目で金銭をだまし取ろうと考え、埼玉県川口市の男性に対し、被疑者らが管理する口座に現金合計199万8,721円を振込送金する操作を行わせ、更に同日、千葉県白井市内に設置された現金自動預払機で現金合計199万8,000円を引き出して盗んだ成人1人(無職)を電子計算機使用詐欺罪及び窃盗罪で検挙しました。
粗暴犯
異性との交際を巡るトラブルで知人を殴るなどした少年らを検挙
西新井署は、足立区内の公園内に呼び出して正座をさせた上、「ヤキを入れるから手を出して。」などと脅し、腕にたばこの火を押し付け、更に顔面などを多数回にわたって平手打ちするなどの暴行を加え、全治不明の両上肢熱傷及び14日間の通院加療を要する左頬部打撲、左下顎部打撲などの傷害を加えた少年5人(高校生4人、無職1人)を傷害罪で検挙しました
通行中の男性に対して因縁を付けて殴る蹴るなどした少年らを検挙
小金井署は、小金井市内の歩道などを通行中の被害者に対し、「おい、何見てんだよ。」などと因縁を付けた後、左足を足蹴りして腹部を殴るなどの暴行を加え、走って逃げた被害者を追いかけて捕まえ、顔面、腹部などを殴る蹴るなどした上、更に走って逃げた被害者を追いかけて首を絞めるなどの暴行を加え、全治2週間程度を要する顔面打撲、左眼球打撲傷などの傷害を加えた少年2人(無職1人、高校生1人)を傷害罪で検挙しました。
自動二輪車で走行中の男性らに因縁を付けて現金などを脅し取った少年らを検挙
浅草署、池袋署、下谷署、蔵前署、荒川署、亀有署、小岩署は、台東区内の路上を走行中の被害者らに対し、「どこ走ってるのかわかってんのか。」などと因縁を付け、手拳やヘルメットで被害者らの顔面を数発殴打するなどの暴行を加えた上、自動二輪車や財布などを差し出すよう要求し、現金合計1万2,000円及び自動二輪車7台など62点(時価合計241万3,800円相当)を脅し取った少年5人(無職2人、清掃業2人、内装工1人)を恐喝罪で検挙しました。
集団で金属バット等を持って集まり、対立する少年グループを殴るなどした少年らを検挙
立川署は、立川市内の路上において、金属バット、鉄パイプ等の凶器を準備して集合し、被害者らが乗車する車両を取り囲み、バットで被害者らを殴るなどの暴行を加え、うち被害者1名に全治約2週間を要する右肘挫傷の傷害を負わせた少年5人(鳶職1人、高校生2人、解体工1人、土間職人1人)を凶器準備集合罪、傷害罪及び暴力行為等処罰に関する法律違反で検挙しました。
SNS上のトラブルが発端となり、高校生らを殴る蹴るなどした少年らを検挙
多摩中央署は、多摩市内の公園等において被害者らを取り囲んで、顔や腹部などを殴る暴行を加え、加療1週間を要する全身打撲などの傷害を負わせた少年3人(防水工1人、高校生2人)を傷害罪で検挙しました。
その他
営利目的で大麻を所持した少年らを検挙
千住署、綾瀬署、蔵前署、南千住署は、埼玉県さいたま市内のアパート内において、営利目的で大麻を含有する乾燥植物片約58グラムを所持した少年6人(無職2人、アルバイト1人、契約社員1人、高校生1人、大学生1人)を大麻取締法違反で検挙しました。
暴行を加えて脅迫し、海へ飛び込ませた少年らを検挙
品川署は、品川区内の公園内において、被害者の胸や腹などに暴行を繰り返した上、「タイマンするか、海に入るか選べ。」などと脅迫し、海に入ることを選択させて飛び込ませ、義務のないことを行わせた少年3人(高校生3人)を強要罪で検挙しました。
警察署に対し消火剤を噴射するなどした少年らを検挙
昭島署は、警察署の正面玄関付近において、消火器の消火剤を噴霧した後、打ち上げ花火数発を連続で発射し、更に1階正面玄関自動ドアに消火器を投げ付けて強化透明ガラス1枚を割って壊し、警察官に付近一帯の警戒活動を行わせて業務の妨害をした少年3人(飲食店従業員1人、アルバイト1人、解体工1人)を建造物損壊罪及び威力業務妨害罪で検挙した。
ポスト内に消火剤を噴射するなどした少年らを検挙
青梅署は、青梅市所在の駐車場に設置された消火器1本を持ち去り、被害者方に設置された埋め込み式ポスト内に消火器の消火剤を噴射して、1階リビングに敷かれた畳を汚損した少年4人(高校生2人、無職2人)を暴力行為等処罰に関する法律違反(集団的器物損壊)及び器物損壊罪で検挙しました。
自動車のトランク内に閉じこめるなどした少年らを検挙
東大和署、昭島署、福生署、八王子署は、千葉県袖ケ浦市内の公園駐車場において、誘い出した被害者を取り囲んで「今すぐ金もってこい。」などと脅迫し、自動車のトランク内に閉じ込めて、青梅市内の駐車場まで、約3時間にわたり走行させた少年5人(無職1人、会社員3人、高校生1人)を監禁罪で検挙しました。
自動車の後部座席に無理やり乗車させ、暴行を加えるなどした少年らを検挙
小平署は、東村山市内の路上において、被害者を自動車の後部座席に無理やり乗車させ、小平市内まで走行させている間、被害者に暴行を加えて脱走を不能にした少年2人(アルバイト1人、塗装工1人)を逮捕監禁罪で検挙しました。
警視庁では、こうした犯罪の発生警察署に本部の捜査員を派遣して、集中的な取締りを行うとともに、少年被疑者の立ち直りに対する支援を推進しています。
情報発信元
警視庁 少年事件課 指導第二係
電話:03-3581-4321(警視庁代表)