前職と入庁の経緯を教えてください。
大学卒業後は、フランスの町道場で、5歳から70歳くらいまで約500名の方に対し、柔道や総合格闘技などを指導していました。またフランス各地や他国で開催される柔道教室の講師として最大300名を指導したこともあります。そんなフランス在住時に大規模なテロが発生し、国家そのものが危機的な状況に陥る姿を目の当たりにしました。学生時代から柔道一筋で武道に関わる仕事に就きたいと考えていましたが、「日本がこのような事態になってはならない」と強く思い、多くの人を守るために働こうと心に決め、警察官を志しました。

現在の担当業務とやりがいは何ですか。
交番に勤務する地域警察官として、110番通報への対応、職務質問、交通違反の取締りなどに従事しています。地域住民と接する機会が多いこともあり、住民からの期待や信頼に応えられるように努めています。地域の方々から温かい激励の言葉を掛けてもらったり、制服姿の私を見て子供たちが手を振ってくれたりすると身が引き締まります。地域と密接な関係を築くことは一朝一夕では叶いませんが、感謝の言葉をいただいたときは大きなやりがいを感じます。
仕事をする上で大切にしていることは。
私は、柔道を通じて技を極めるだけでなく、多くのことを学んできました。特に大切にしているのは、心構えとしての「柔らかな道」です。実直に突き進むだけでなく、時には相手に対して柔軟に応じていくことは、試合以外にも様々な場面で役立ちます。多くの住民と触れ合う警察官の仕事において、柔軟な姿勢や考え方はとても大切です。私自身一人の国民として、同じ国民のために奉仕する精神を大事にし、警察官として、どのような状況でも柔軟に対応し、犯罪を抑止することで安全・安心を守っていきたいと考えています。

これからの目標はなんですか。
首都・東京では、日々様々な出来事が起きています。私にとってこれほどの経験を積める環境はありがたく、警察官の仕事はとてもやりがいがあると感じています。今後は、これまで培ってきた柔道の指導者経験を生かし、いずれは術科訓練の指導者を目指したいと考えています。私には海外での指導を通じて、年齢や職業、人種、国籍、宗教などが異なる多様な人たちとも接してきた経験があります。地域警察官も多くの人のために尽くす仕事ですので、これからも地域の住民一人ひとりに寄り添った丁寧な対応を心掛けていきたいです。
- 平成29年(2017年)
- 入庁 西新井警察署へ卒業配置 現職
