Q 現在の仕事内容を教えてください。
明るみに出ていない違法薬物や刃物の所持など、都民の安全・安心を脅かす各種犯罪を検挙するために欠かせないのが職務質問です。私は、第一線で都民の安全・安心を守っている地域警察官に対して、職務質問の技能向上のための現場指導や講義などを行っています。地域警察官一人ひとりの職務質問の技能を高めることは街の治安維持につながります。そのため、若手警察官を対象とした講義や、地域警察官と共にパトカーで警ら活動を行う現場指導を通じて、不審者の発見から声掛け、所持品検査の実施要領など職務質問における技能向上を図っています。

Q 仕事のやりがいを教えてください。
後輩の指導にあたり心掛けているのが、緊張感のある生の現場を見せることです。不審者がどのような言動をするか、逃走を図ったらどうすればよいか。緊張する現場を経験することで、具体的な対処方法について身をもって学べます。また、実際に検挙することで「自分にもできる」という自信が生まれ、警察官としての自覚や成長につながります。指導していた地域警察官から、「教えていただいた職務質問によって被疑者を検挙することができました」と報告を受けたときは非常に達成感が得られます。また、後輩の指導を通じて自らの実務能力を向上させることができるのも魅力です。
Q これまでに一番印象に残っている
エピソードは?
新人警察官だった頃に、職務質問によって自転車を盗んだ被疑者を検挙しました。盗まれた自転車を持ち主に返却したところ、サドル部分が破かれていたことなどから「もういらない」と言われ、残念な気持ちになりました。しかし、それから数か月後に街をパトロールしていたところ、その自転車の持ち主に声を掛けられ、「せっかくお巡りさんが見つけてくれたから、サドルを交換して大事に乗っているよ」と言われて感動したことを覚えています。この経験から、さらに職務質問に力を入れるようになったことが今につながっています。

Q 女性警察官は
どのような活躍をしていますか?
男性には気づかないことも、女性からすると違和感を覚える部分は意外と多くあります。例えば、髪型、爪の汚れ、靴の違和感、お化粧の仕方、細かい表情や仕草など、些細な部分に気づくことができるのは女性の視点ならではです。このような「女の勘」は、職務質問では有効に生かすことができます。また、「所持品を検査するのが女性警察官なら、犯罪を見抜けないだろう」と相手が油断するケースも多くあります。相手が油断したところでしっかりと不審点を追及できるため、職務質問は女性に有利かもしれません。
Q これからの目標を教えてください。
交番で勤務する警察官に憧れていましたので、地域警察官になったときはとてもうれしかったことを覚えています。その後、パトカー勤務員となって今に至っていますが、今後の目標は、地域警察官の仕事を極めることです。パトカー勤務は、警ら活動のほか、110番臨場、応援要請、酔っ払いや迷い子の取扱い、被疑者の搬送などの各種活動により、地域住民に安心感を与えることができる、なくてはならない存在です。常に冷静かつ臨機応変に対応し、都民の目線に立った活動ができる警察官になることが目標です。
