
先輩の声
少年事件捜査
前途ある少年たちと向き合い
更生へと導く。
城東警察署
少年第二係
巡査長
福岡県出身
小学生の頃から12年間、野球に熱中していましたが、その経験から人の役に立つ仕事をして誰かを支える存在になりたいという思いを抱き、警察官を志しました。その中でも、刻々と変化する社会情勢に対応しながら、日本で一番多くの事案が発生する首都・東京を守る警視庁の仕事に魅力を感じて入庁を決めました。少年係は、少年が犯した事件全般の捜査のほか、不良行為を行っている少年の街頭補導活動や児童に対する虐待事案への対応、児童買春や児童ポルノ事犯など少年を狙った福祉犯罪の検挙などを担当しています。
前途ある少年たちと向き合って立ち直りを手助けし、更生へと導けることに誇りと使命感を感じています。実際に非行を犯した少年の取調べを担当した時のことです。少年の話をよく聞き、心情を考慮しながら対話を重ねた結果、過ちを反省してもらうことができました。後日、彼が少年院を出院後に私を訪ねて来て、「専門学校に通い直して理髪店に就職しました。ぜひ散髪に来てください。」と前向きな姿勢を見せてくれたことは、今でも忘れられません。
少年犯罪の総数は減少傾向にある一方、その凶悪化・巧妙化は年々進んでいます。新型コロナウイルス感染症対策の持続化給付金をだまし取る詐欺事件において、実行役の少年被疑者15名、指南役の成人被疑者2名が事件に関与していることが発覚しました。警視庁本部の少年事件課とともに緻密な捜査の末に事件の全容解明に至ることができましたが、少年たちが軽い気持ちで重大事件に関与してしまう恐ろしさを痛感しました。社会情勢の変化により、新たな犯罪が次々と発生することを念頭に、普段の情報収集が大切であることを改めて胸に刻むこととなりました。
全ての少年には大きな可能性があります。今後も少年係員として経験を積み、より多くの事件の全容解明に努めることで、首都・東京の治安維持に貢献するとともに、一人でも多くの少年の更生を手助けしていきたいです。そして将来的には、少年事件のスペシャリストが集う少年事件課で勤務することを目標にしています。