Q 前職と入庁の経緯を
教えてください。
大学院で医学研究科修士課程を修了後、民間企業で薬品の開発に携わる仕事をしていました。新薬の開発では、その薬を使用した方にどのような効果や副作用があるかを調べ、薬の用法や用量を決定するために治験を行います。私は、治験を実施する医療機関の仕事をサポートする会社で、医療機関と製薬会社の間に立って調整をしたり、書類を作成したりする仕事に3年半ほど従事しました。新しい薬が開発されれば多くの人を救うことができますが、効果が認められないなどの理由で開発が中止になることもそれ以上に数多くあります。昇進をきっかけにこの先のキャリアを考えたところ、もっと直接的に人のためになる仕事がしたいと思い、転職を決めました。その時たまたま目にしたのが警視庁採用サイトです。それまで警察官という職業を意識したことはありませんでしたが、首都・東京を守る大きなやりがいに魅力を感じて志望しました。
Q 現在の担当業務と
やりがいは何ですか。
地域警察官として交番に勤務しています。110番通報の対応のほか、パトロールや巡回連絡、地理案内、遺失届・拾得届の受理、交通違反の取締りなど幅広い業務に当たっています。交番勤務員は、地域住民に一番近い存在として困っている人の相談に乗り、力になれるのが大きなやりがいです。近隣トラブルを抱え、不安を感じている地域住民からの要望で重点的にパトロールを行っていたところ、その住民の方が交番を訪れ「パトロールメモをいつも投函してもらっているので、安心して日々過ごすことができます。」とお礼の言葉を掛けてくれたことがありました。警察官として当たり前のことをしたまでですが、その方にとってはどれだけ大きなことであるかを実感したうれしい出来事でした。
Q 仕事をする上で大切にしていることは。
ほとんどの人が警察とは関わりなく生活をしていますので、交番を訪れる機会はそう多くはないと思います。自分にとっては複数ある取扱いの一つであっても、相手にとっては初めて関わる警察官であるかもしれず、緊張や不安を感じているかもしれません。その人たちのために少しでも力になれるよう、一つ一つ丁寧に仕事をすることを心掛け、そして「この警察官で良かった」と思ってもらえるように、いつも親身に寄り添うことを大切にしています。また、医療機関と製薬会社との間に立って治験を円滑に進めるために様々な調整をしていた前職の経験を、様々な人の間に立つ現在の職務にもっと生かしていきたいと考えています。
Q これからの目標は
何ですか。
地域警察官は、110番通報を受けるとどのような事案でも真っ先に現場に臨場しますが、事案によっては刑事組織犯罪対策課、生活安全課、交通課などの専門部署と協力して対応することがあります。いろいろな事案を経験し、各分野で活躍している先輩方からそれぞれの職務の魅力を伺うことで希望する部署を見付け、そこで活躍できるよう地域警察官でなければできない経験をたくさん積んで成長していきたいです。
- 令和2(2020)年
- 入庁 板橋警察署へ卒業配置 地域第一係