VOICE先輩の声
一つでも多くの拾得物を
落とし主へ返還する。
会計課 遺失物センター 遺失物第一係
主事
愛媛県出身
学生時代に財布を落とし慌てていたところ、交番のお巡りさんが丁寧かつ親身に対応してくださったことをきっかけに、人々の大切な「人」や「もの」を守る警察組織に興味を持ちました。そして、地元の愛媛県で市役所に勤務する父を超えたいという思いから、取扱い件数が警察組織の中で最大規模を誇る警視庁の警察行政職員を志しました。遺失物センターは、警察署や鉄道事業者などにおいて一定期間が過ぎても返還できなかった拾得物の受入れ・調査、遺失届と拾得物の照合・検索、落とし主からの問合せ対応・返還を任務としており、その中で私は、鉄道事業者からの拾得物受入れ業務を担当しています。
警視庁に届けられる拾得物は年間約340万件以上にも及び、その種類は現金や身分証明書、衣類、傘、スマートフォン、鞄など様々です。私自身は、鉄道事業者から毎日3,000から5,000件もの拾得物を受け入れています。私たちにとっては数ある拾得物の一つであっても、落とし主にとっては大切なものであることを念頭に、一人でも多くの方に返還できるよう心掛けています。遺失届と照合し、落とし主にブローチを送付返還する手続をした際、後日、受領書と共に「母の形見であったため、手元に戻りほっとしました。」と感謝の手紙を頂いた時はうれしかったです。自らの業務が落とし主の助けや救いになることは何よりのやりがいです。
遺失物業務は、主に拾得者である都民一人一人の善意によって成り立っています。そのことを決して忘れることなく、拾得物が発見された経緯や状況を正しく把握した上で法的根拠をしっかりと確認し、拾得者が決して不利益を被ることがないよう心掛けています。落とし物がきちんと手元に戻ってくることが多い日本の文化は世界的にも珍しく、外国人観光客に遺失物を返還する際には、驚き喜ばれることがほとんどです。この素晴らしい日本の文化を後世にも継承していくため、今後も迅速かつ丁寧な対応を欠かさず、一つ一つの業務に誇りを持ち向き合っていきます。
テクノロジーが急速に発展を遂げる昨今、遺失届のオンライン化をはじめ、遺失物センターにおいてもITの活用を積極的に推進しています。私自身IT分野への関心が強いため、各種資格取得に挑戦するなど日々の自己研鑽に努め、将来的には情報管理課で警察情報システムの運用などに携わることが目標です。
音楽が好きで、高校時代の友人と様々なアーティストのライブに行くことが最大の楽しみであり、休日はライブ会場を訪れています。また、冬になれば、友人たちと大自然の中でスノーボードを満喫するなどしてリフレッシュしています。