VOICE先輩の声
国内外で発生した災害現場で
一人でも多くの命を救う。
災害対策課
特殊救助隊 実施班
巡査長
新潟県出身
平成16(2004)年、最大震度7を記録した新潟県中越地震が発生しました。当時小学生だった私は、地元である新潟県でその地震を経験しました。強い余震が複数回発生する中、一人でも多くの命を救うために活動するレスキュー隊の姿を目の当たりにしたことで、将来は人の役に立つ仕事がしたいという強い思いを抱き、警察官を志しました。特殊救助隊は、東日本大震災の教訓を踏まえて平成24(2012)年に発足した救助の専門部隊です。地震や台風、洪水などの自然災害、交通事故や山岳遭難といった人的災害が発生した現場において国内外を問わず出動し、救助活動を行っています。
全国警察で唯一の救助専門部隊として、かけがえのない命を救うために尽力できることは何よりのやりがいです。令和3(2021)年、静岡県熱海市で発生した大規模な土砂災害に派遣された際、濁流が住宅地を飲み込む中、行方不明者の捜索に当たりました。残念ながら発見・救助には至りませんでしたが、崩れかけた住宅を捜索する中で、家主の方のアルバムや仏壇を回収することができました。後に返還をした際、「思い出の品が見付かり救われました。ありがとうございます。」と家主の方から涙ながらに感謝の意を伝えられたことは今でも忘れられません。
どのような災害にも対応できるよう、日頃から様々な訓練を行っています。いつでも100%の力を発揮できるよう常に緊迫感を持ち、人命救助の現場を想定しながら訓練に臨むことを心掛けています。また、現場では息の合ったチームワークが欠かせません。大規模災害では、自衛隊や消防、他道府県警察と連携して救助に当たるため、初めて顔を合わせる人も多くいます。いち早く信頼関係を築くために、常に笑顔で積極的にコミュニケーションを取り、声を掛けやすい環境作りに努めています。
各警察署や機動隊に対する救助訓練の指導を通して、これまでに得た知識や技術をより多くの警察官に伝え、警視庁全体の救助スキル向上に貢献していきたいです。そして将来的には、特殊救助隊の隊長として隊を牽引し、国内外で一人でも多くの命を救うことが目標です。
スノーボードはただ滑るだけでなく「グランドトリック」と呼ばれる平地で板を回転させるスピンなどの技を練習しています。もう一つの趣味が結婚してから始めた料理作りです。妻においしいと喜んでもらえた時にはうれしく感じます。今では、家にある食材だけで料理を作れるようになり、買い物に出掛ける手間も省けるようになりました。