Q 財務捜査官の役割とは?
財務捜査官は、税務・会計の専門知識を生かして経済犯罪事件の捜査に当たっています。主に会社の決算書類の分析や資金解析など、お金に関わる部分を担当します。対象の会計帳簿や決算書類・確定申告書を精査して粉飾された箇所がないかを探し出したり、銀行口座や証券口座などを精査して資金の使途先を解明したりして、犯罪の証拠を探し出します。

Q 財務捜査官を目指したきっかけ
大学在学中に公認会計士試験に合格し、卒業後は上場企業の財務経理部で決算業務に携わっていましたが、「会計に関連する仕事で、異なる業界で仕事をしてみたい」という気持ちが高まり、転職のための情報収集をしていたところ、警視庁の財務捜査官の採用ページを見付けました。近年は経済犯罪や企業の不正が、大きなニュースとして世間で取り上げられることが増えています。そのため、会計の知識を生かして経済犯罪捜査に従事できる財務捜査官に魅力を感じ、志望しました。

Q 採用選考に向けた対策
専門考査と経験小論文に重点を置いて対策しました。簿記の復習と特別捜査官採用選考の過去問題を繰り返し確認しました。
Q 財務捜査官のやりがい
前職の知識や経験を生かし、捜査に貢献できることが魅力です。前職では上場企業の経理を務めていたため、決算業務の一連の手順や各証票に関する実務的な知識などが捜査にも役立っています。実体験に即して、会計帳簿や決算書を精査することで、犯罪の証拠となるような会計処理や不正な数値を見付け出すこともあります。また、特別捜査官は、専門家としての意見を求められるため、自分の意見を持つことや、その意見を捜査に関わる全ての人に正しく伝えることが必要です。会計に詳しくない捜査員に対しても内容を正しく理解してもらえるよう、分かりやすい報告書の作成や説明を心掛けています。

Q これからの目標
まだ警察官としての経験が浅いことから、これから捜査本部で多くの経済犯罪事件の捜査に従事して経験を積み、財務捜査の手法や効率的なやり方を考案して、一つでも多くの事件解決に貢献していきたいです。そして、丁寧かつ正確な仕事をして貢献を積み重ねることで、この人ならば任せて大丈夫と信頼してもらえるように精一杯努力していきます。
- 2020年
- 入庁(警部補として特別採用)組織犯罪対策部本部所属 現職