interview
特別捜査官 科学捜査官(化学)

薬物事件の根絶へ向け
化学分析の専門知識を
捜査現場に生かす。
PROFILE
刑事部
警部補 岐阜県出身
- 2016年
- 入庁(警部補として特別採用)
組織犯罪対策部 本部所属
- 科学捜査官(化学)の役割とは?
- 科学捜査官(化学)は、化学、薬学などの専門知識を生かし犯罪捜査に貢献する捜査官です。化学の専門知識に長けた薬物のスペシャリストであり、薬物乱用者の押収品の分析など証拠の解明につながる重要な仕事を担当しています。私は、科学捜査官(化学)として主にインターネットを利用した薬物事件の捜査や危険ドラッグの事件捜査、規制薬物の検出測定の業務に当たっています。各警察署からの薬物事件の取扱いについての質問対応、全国警察や関係機関との連絡・調整などにも対応しています。
- 科学捜査官(化学)を目指したきっかけ
- 大学院で有機合成化学を研究後、研究職として化学メーカーに勤務し、電子情報材料や光学材料の開発、新規化合物の用途探索、特許業務などに携わってきました。開発のための実験は事前に想定した結果が得られるような成功ばかりではなく、思ったように研究成果が上がらないこともあります。社会の役に立っている実感をもっと得たいと考え、公務員の化学職を探すようになりました。警視庁の採用サイトを見た時、「これだ。」と直感的に思い、採用選考に挑戦しました。

- 採用選考に向けた対策
- 大学の時に勉強で使っていた有機化学の教科書を読み返しました。また、違法薬物については専門ではなかったので、改めて分類や作用についての勉強をしました。採用後、警察学校で刑法や刑事訴訟法といった法律の知識のほか、捜査書類の作成方法、警察幹部としての心構え、逮捕術など警察官としての基本を学ぶことができました。
- 科学捜査官(化学)のやりがい
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指定薬物の製造事件捜査に従事した際、製造工程を明らかにするなど、化学の知識を生かして全国警察初の指定薬物製造事件検挙に貢献できたことが印象に残っています。科学捜査官(化学)の下には、各警察署から薬物事犯の取扱いなどについての質疑が数多く寄せられます。本部主管課の回答として責任ある返答をしなければならないためプレッシャーは大きいですが、同時に多くの部署から頼りにされているというやりがいも感じることができます。警察官としての職務を果たしつつ、自分ならではの専門分野を持っていることは大きな自信につながっています。

- これからの目標
- 各警察署からの質疑を多く受ける立場なので法学や捜査手法をもっと勉強し、まずは薬物事件担当の警察官として一人前に判断できるようになりたいです。法律などで指定される物質は日々増え続け、その規制を逃れるために未規制物質が生み出され流通する、ということを繰り返してきました。化学構造や製造法も巧妙になり新しいやり方が考えられています。そういった状況に迅速に対応するため、最新の化学知識の習得も怠らずに取り組んでいきたいと思います。
- 転職経験者だから分かる「警視庁」
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自分の知識が犯罪捜査に役立ち、社会貢献できる。それが警視庁に転職して一番良かったことです。担当した事件がニュースで報道されるなど、自分の仕事の社会への影響を実感することもあります。前職では民間企業に勤めており、研究職とはいえ営利企業の社員として売れるものを目指さなければなりませんでした。警視庁に入庁後は利益の追求ではなく社会のために汗を流す意識が持てるようになり、より前向きに働けるようになりました。

