刑事の8日間
警察署の刑事課の勤務体制は、8日に一度、夜間勤務を行う当番制です。
当番の日は、午前8時30分から翌午前9時30分までの勤務です。
刑事のとある8日間を紹介します。
当番の日は、午前8時30分から翌午前9時30分までの勤務です。
刑事のとある8日間を紹介します。
Prologue
首都・東京では毎日数多くの事件が起きています。都内にある警察署の刑事課知能犯捜査係の巡査部長の当番日、特殊詐欺の一つである「オレオレ詐欺」事件が発生し、息子になりすました犯人(=被疑者)が、高齢者から現金をだまし取りました。事件発生からの8日間を見てみましょう。 ※業務内容は一例です。状況によりスケジュールは変動します。
高齢者から「息子を名乗る相手に現金をだまし取られた」という110番通報があり、同じ当番の刑事と共に現場に向かいます。詳細な話を聞いたところ、特殊詐欺事件と判断し、被害届の受理や証拠収集等の初動捜査を行います。その後、警察署において書類作成等の事務作業を行いながら次の事件に備えます。
事件発生
当番日の事件
多くの事件が舞い込むため、新たな事件には別の当番員が順次対応。
引継ぎ、帰宅
事件発覚後、主に防犯カメラ捜査を行う“初動捜査班”や、被害者・目撃者の証言を基に似顔絵を作成する“似顔絵捜査官”等と連携し、被疑者の足取りを追います。
非番には、当番中に扱った他の事件も含めた事件について、書類作成等の事務処理を行った後、帰宅し、しっかりと休息をとります。
似顔絵捜査官
警視庁では、職員の中から希望する者を選考し、講習を経て指定する。
防犯カメラ捜査
証拠資料
捜査は多くの証拠に基づき進められる。画像は有力な証拠資料の一つ。
防犯カメラ捜査とは、街頭の防犯カメラを確認し、犯人の足取り等を追いかける捜査手法で、地道ながら犯人逮捕には必要不可欠な捜査です。
前日に初動捜査班が行った防犯カメラ捜査等を引き継ぎ、特殊詐欺事件の防犯カメラ捜査を更に進めます。
被疑者発見
被疑者発見
防犯カメラ捜査の結果、被疑者の足取りが途絶えた地点で張り込み捜査を行ったところ、被疑者を発見。被疑者の関係先を突き止めました。
被疑者の名前や住所を特定し、これまでの捜査で判明した内容と合わせて書類にまとめ、裁判所に逮捕状などの令状を請求します。
裁判所へ逮捕状の請求
令状
身柄を拘束したり、人の家などに入ったりするには、原則として、裁判官の令状が必要。
被疑者の逮捕へ
被疑者の逮捕へ
各種捜査により被疑者の居場所を突き止め、裁判官から発付された逮捕状を示して被疑者を逮捕します。
逮捕後、被疑者の取調べ等を行い、取り調べた内容を含め、様々な書類を作成し、被疑者を書類とともに検察庁に引き渡します。
被疑者の送致
送致後も
捜査は続く
事件は逮捕で終わりではなく、起訴・公判に向けて、被疑者の取調べ等の捜査は継続される。
休日
当番日に受理した特殊詐欺事件の犯人を逮捕、送致して、業務が一段落したため、休みを満喫します。休日は、家族と過ごしたり趣味に費やしたりしたりと、自由に過ごしてリフレッシュしています。
Epilogue
事件発生から被疑者の逮捕・送致まで、刑事の8日間の一例を紹介しましたが、様々な事件があり、捜査の方法や結果は状況により大きく変わります。場合によっては、地域課や生活安全課など、他部署の警察官と連携して捜査します。多くの警察官が、日々事件解決のために全力を尽くしているのです。
- 刑事でも休みは取れるのですか?
- 刑事課は8部制、地域課は4部制というように職種によって勤務体制は異なりますが、基本的に警察署では4週間に8日間の休日があります。刑事課は捜査の進み具合によって不規則になる場合もありますが、その分、代わりの休日も取れるようチームでフォローし合っています。
- 刑事は、休日でも呼び出しがあるのですか?
- メリハリのある生活を大切にするため、休日はしっかりリフレッシュすることが重要です。事件の内容や所属する係にもよりますが、できるだけその日に発生した事件には、その日に勤務している警察官が対応するようにしています。
- 刑事に求められるスキルには、どんなものがありますか?
- 刑事に特別なスキルは必要なく、旺盛な好奇心、観察力や粘り強さ、そして、やる気があれば大丈夫です。
自分の個性や特技を生かし、一緒に事件を解決しましょう。